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【レビュー】Rupert Neve Designs RNDIはワイドレンジな出音。ベース録音に最適なDIです

Rupert Neve Designs RNDIを導入したことで、ベースが前よりも良い音で録音できるようになった。そこでレビュー記事を書いてみることにする。

RNDIをベース録音に使う2つのメリット

1. 音のレンジが広がる(マイクプリアンプ併用時)

RNDIを導入したことで、録音経路が次のように変化した。

  • 古い録音方法:ベース→マイクプリアンプ(DI入力)→オーディオインターフェイス
  • 新しい方法:ベース→RNDI→マイクプリアンプ(マイク入力)→オーディオインターフェイス

実際の録音データは後で紹介するが、新しい方法で録音した方が、レンジの広い音が得られる。純粋に「良い音」で録音できるようになったと感じている。

2. S/N比が良くなる

マイクプリアンプのDI入力端子にベースをつないで録音していた頃は、ノイズの多さに少し悩んでいた。iZotope RXのSpectral De-noiseでノイズを除去しないと、少し厳しいかなという感じだった。

しかし、RNDIを使うことで上記画像の通りノイズは明らかに減少した。

※ベースの録音レベルは2トラックともほぼ同じ。ノイズ成分が見えるよう、波形を拡大率MAXで表示させている。

S/N比が良くないマイクプリアンプを使っている人の場合、RNDIを導入することで、S/N比が向上する可能性がある。



録音比較音源

1. 外部マイクプリのDIインで録音

「ベース→外部マイクプリアンプ(DI入力)→オーディオインターフェイス」という流れで録音した音源。


僕は長らくこの手法で録音してきた。外部マイクプリ(Neve系)の持つキャラクターのおかげで、太い音で録音できるところが気に入っていた。

その一方で、高域が不足していると感じることも多かった。ほとんどの場合、ミックスの際にEQで高域をブーストする必要があった。

2. RNDI+外部マイクプリで録音

「ベース→RNDI→外部マイクプリアンプ(マイク入力)→オーディオインターフェイス」という流れで録音した音源。


今回の4つの中で、最も良い音で録音できていると感じた。

マイクプリがもたらす「音の太さ」を維持しながらも、高域の伸びが加わり、結果的にレンジの広い音で録音できるようになった。ミックスのときにハイが足りなくて困ることも少なくなりそう。

3. オーディオインターフェイスに直結で録音

「ベース→オーディオインターフェイス(DIイン)」という流れで録音した音源。


オーディオインターフェイス( RME Fireface UCX II )に直結で録音したものだ。クッキリとクリアな音で録音することが出来ている。音のレンジも広くてバランスが良い。

一方で、音のアナログ感や密度は薄く、あっさりした音になっている。ミックス時の処理でアナログ感を付加する必要があるかもしれない。

4. RNDI+オーディオインターフェイス付属マイクプリで録音

「ベース→RNDI→オーディオインターフェイス(マイク入力)」という流れで録音した音源。


オーディオインターフェイスに直結で録音するのと比べて、音に芯が出て、若干のアナログ感が付加された印象だ。RNDIにはトランスが入っているので、そのおかげかもしれない。

RNDI無しの録音でも、元々レンジが広い音質だったが、そこからわずかに音のレンジが広がっている印象もある。録音できる音の帯域バランスは、確かに良くなっていると感じる。モワモワした成分が良い感じで解消されて、カッコイイ音になっていると思う。

一方で、アナログ感の付加という意味では、やはりマイクプリを通した録音ほどの濃さはない。RNDIは、Neve系マイクプリのように、音のキャラクターをガラッと変えるほどの効果があるわけではなさそうだ。

RNDIは、あくまでもDIボックスの機能を逸脱することなく、高品質な製品に仕上げられているといえそうだ。

覚え書き

RNDIの使い方@ベース録音

  1. 「INSTRUMENT / SPEAKER」スイッチを「INSTRUMENT」に設定する。
  2. ベース→RNDI→マイクプリと接続する。
  3. マイクプリのファンタム電源を入れる。
  4. マイクプリのGainとOutputを設定する。

これで録音できるようになる。

本体の2つのスイッチ

INSTRUMENT / SPEAKERスイッチ

「INSTRUMENT / SPEAKERスイッチ」に関しては、宅録ユーザーは常に「INSTRUMENT」側にしておけばOK。

ライブハウス等で、ベースアンプを鳴らしつつ楽器の音をPA卓に送るような場合には、SPEAKER側に切り替える。

GND / LIFTスイッチについて

「GND / LIFTスイッチ」は、特に問題がなければいじらなくてもいいスイッチだ。

これは多くのDIにもついているスイッチだが、ひとことでいうと、

  • グランドループを解消するためのスイッチ

ということになる。

GNDとLIFTのどちらが良いというわけではなくて、ノイズが出るなら切り替えを試すとよい。

If you are experiencing a hum on the RNDI output or amplifier, experiment with switching the ground lift on the RNDI and ground lifts on other components in the chain.

出典:マニュアルP.2



RNDIはこんな人にオススメ

  • ふだん外部マイクプリアンプのDI入力でベースを録音していて、高域の伸びに物足りなさを感じている人
  • 10万円もするマイクプリを買うほどのコストを掛けずに、ベースの録り音を少しでも改善したい人

これらの条件に当てはまる人は、RNDIの導入を検討してみてもいい。

コラム:マイクプリアンプとDIの購入優先順位について

ベースの録音には、DIとマイクプリの2つが必要だ。Avalon U5のように一体化している製品もあるが、基本的にはDIとマイクプリがそれぞれ必要。

そこで、次のような疑問が出てくるだろう。

DIとマイクプリ、どちらを先に買えばいいの?

これはなかなか難しい疑問かもしれない。

まずDIの本来の目的は、インピーダンスを下げること。これは間違いない。

そしてここからは僕の意見だが、音のキャラ付けの大部分は、マイクプリアンプが担うのではないかと感じる。だとすると、音を劇的に改善したい場合は、DIよりも先に「DI入力付きのマイクプリアンプ」を導入するのが得策ということになる。マイクプリアンプのDI部分でも、インピーダンスを下げるという役割は十分果たせるからだ。

今回の記事で用意した比較音源においても、やはりマイクプリの有無が音質に与える影響のほうが、RNDIの有無よりも大きいと感じる。

ただし、RNDIはトランス(※トランスフォーマー)を搭載しており、音のキャラクターへの影響も確かにある製品だ。それを踏まえてRNDIの導入を検討すると良いだろう。

基本的には、マイクプリのDI入力の音に物足りなくなった段階で、新たにRNDIを導入してみるというスタンスが良いのではないでしょうか。