目次
購入したREALFORCEのスペック
僕が購入したのは「REALFORCE / R2-JP4-BK」という型番のREALFORCE。
- 全キー45gの等荷重
- テンキーあり
- 標準モデル(非静音モデル)
- APCなし ※APC:キー入力が検知される瞬間の「沈み込みの深さ」を変更できる機能のこと
といった仕様になっている。REALFORCEにも仕様違いのモデルがいくつかあるが、僕が購入したのはごくノーマルなタイプのREALFORCEということになる。
REALFORCEとMajestouchをカンタンに比較
REALFORCEを導入するまでは、FILCOのMajestouch(Majestouch2・茶軸)を使っていた。先に結論から述べる。トータルで考えれば、REALFORCEに移行して正解だったと感じている。
REALFORCE、Majestouchそれぞれの評価を、レビューボックス形式で表現してみる。
REALFORCEの良いところ6つ
1. 打鍵感が最高に気持ちいい
まず打鍵感。これがとても良い。
キーストロークが非常になめらかで、スラスラ指が動いてくれる。キータッチは柔らかく、指に優しい。Majestouchのときは底打ちすると指に衝撃を感じたけど、REALFORCEならまるでクッションに当てているような感覚がある。このフワフワ感は実に快適で心地よい。
Majestouchのようなハッキリと分かりやすい打鍵感も良いが、REALFORCEの打鍵感はよりタイピングに適しているように感じる。
2. 長時間タイピングしても疲れない
Majestouchを使っていたころは、一日中タイピングしていると、日が沈むころには少し指に疲労が出てきていた。タイピングする際、底に敷かれている鉄板に指を打ち付けるような感覚もあった。
REALFORCEを導入してからは、指への負担が大きく軽減した。
- キータッチが柔らかい
- 底打ちしなくてもキーが入力される
こういったREALFORCEの特徴が、疲労感の軽減につながっていると思われる。
ちなみに、2点目に挙げた「底打ちしなくてもキーが入力される」という性質。これ、はじめは気のせいかなと思っていたのだが、どうやら製品の仕様のようだ。
底打ち(キーを最後まで押しきること)しなくても、入力検知ができるように調整しているので、指に反力が掛からない使い方が可能です。
出典:高級キーボードの「使えば分かる良さ」って一体、何なんです? 「REALFORCE」の東プレに聞いてみた - ねとらぼ
実際の押し下げ圧データを比較
押し下げ圧のカタログスペックを比較すると、次の通り。
- REALFORCE:45g(等荷重)
- Majestouch:55cN ±25cN
※cN(センチニュートン)とg(グラム)はだいたい同じような単位だといえそう。なので、REALFORCEの方がカタログスペック的には若干軽いことになる。
公式サイト(下記リンク先)の画像のグラフを比較してみるると、仕組みがもっとよく分かる。
- REALFORCE:最初のひと押しは柔らかくてもOK。さらにMAXの荷重でも45g。
- Majestouch:最初のひと押しから35cNくらいの荷重が必要。MAXの荷重は55cN必要。
こういった性質も、REALFORCEがよりスムーズな打鍵感を実現できている理由の1つかもしれない。
3. タイピングが速くなる
前述の通り、REALFORCEは底打ちしなくてもキー入力を検知してくれる。キータッチの軽さも相まって、普通のキーボードよりも高速なタイピングが可能となる。
少しコツをつかむ必要があるが、慣れると脱力した状態で、超高速で指を動かせるようになる。僕自身、REALFORCEを導入して以来、明らかにタイピングの速度が上がったように感じている。
タイピングゲームの実力者がこぞってREALFORCEを使用しているのも、腑に落ちる話だなと思った。
4. 標準モデルでも打鍵音が小さい
僕が購入したのは、静音タイプではなく、標準タイプのREALFORCEだ。それでも、Majestouch(茶軸)と比べると打鍵音はだいぶ小さい。REALFORCEで採用されている「静電容量無接点方式」という仕組みは、物理的な接点を持たない機構だ。それが打鍵音の小ささに一役買っているのではないかと思う。
購入前は静音タイプを買おうか迷っていたのだが、今ではコスパの高い標準モデルにして良かったと思っている。
5. 無変換キー・変換キーのサイズが小さくない
スペースキーの両脇には、無変換キー・変換キーがある。僕はこれらのキーを多用する。
Majestouchだと、これらのキーのサイズが小さい(アルファベットのキートップと、ほぼ同じサイズ)。そのため、Majestouchを使っていたころは頻繁にタイプミスが発生していた。※軽く悩みのタネだった。
一方、REALFORCEでは、無変換キー・変換キーともにサイズは大きめ。Altキーと同程度の大きさになっている。おかげでタイプミスすることなく、キーを押すことができるようになった。
6. メンテナンスも楽
REALFORCEはメンテンナンスも楽で良い。大掃除渡の際に、キートップを取り外して中のホコリをエアダスターで吹き飛ばすという作業も、苦労せずに行える。
以前使っていたFILCO Majestouchには、スペースキー・エンターキー等の大きなキーに、スタビライザーという針金の部品が付いていた。そのめ、取り外すときにはスタビライザーを破損しないよう、少し気を遣う必要があった。
一方でREALFORCEは単純にキーが土台に押し込まれているだけ。唯一、スペースキーにはバネが付いているけど、それだけを紛失しないように気をつければいい。メンテナンスは非常に楽。FILCOのキートップ引き抜き器と、エアダスターがあれば、問題なく掃除が完了する。
REALFORCEの課題点(?)4つ
REALFORCEへの不満点は特にない。しかし、せっかくなので、(半ば無理やりだけど)課題点を挙げてみる。
1. 油断すると勝手にキーを押してしまう
僕の使っているREALFORCEは45g等荷重。REALFORCEの中では、特別タッチの軽いモデルではない。
だがそれでも、メカニカルキーボードと比べれば軽い力でタイプすることが可能。タイピング中はいいが、ぼーっとしながらキーボードに手を置いて画面を眺めているとき、手の重みで誤ってキーをタイプしてしまうことがある。
2. (つい高速で入力しちゃうので)ミスタッチが増える
タイピング速度が速くなった分、ついうっかり、キーの打鍵を忘れてしまうことがある。以前よりも軽い力で入力できるようになったからか、打鍵していないのに、「打鍵したつもり」になっていることがある(疲れているときなど)。
ただ、落ち着いて入力すれば解決するだけの話ではあるが。
3. アプリケーションキーがFnキーに置き換わっている
本来はアプリケーションキー(右クリック操作を担うキー)が位置しているスペースに、Fnというキーが鎮座している。このFnキーは、ファンクションキー(F1~F12)等と一緒に押さえることで、
- ブラウザを起動したり
- 再生中の音楽のボリュームを変更したり
- 本体LEDの色を変えたり
- CapsLockとCtrlを入れ替えたり
するためのものだ。
キーボードマニアの人ならば、Change Key等のソフトを使って、このアプリケーションキーに別の機能を割り当てている人もいると思う。しかし、REALFORCEに付いているFnキーは、単体だとキーコードを吐いてくれないのでそれも難しい。
人によってはデメリットとなり得る仕様かもしれない。
4. コマンド的な操作が多い場合はメカニカル式の方が良い可能性も
REALFORCEは軽い打鍵感をしている。長時間タイピングしても疲れないのが特徴。一方、Majestouchは、クリック感のある打鍵感をしている。キーを入力したことがハッキリと分かるのが特徴。
各々こういった性質があるため、「コマンド的な操作」が多いときは、打鍵感のハッキリしているメカニカルキーボードの方が操作しやすく感じる人もいると思う。たとえば、クリップボード上のデータを、複数のファイルに連続してペーストしていくようなとき。タイミングよく「ポン、ポン、ポン」と、音を立てながら入力していてノッてくるのは、おそらくMajestouchのようなメカニカルタイプのキーボードだろう。
他には、ゲーム用途もそうだ。FPSゲームでは、WASDキーで前後左右に動く必要がある。こういう操作では、ハッキリした打鍵感があったほうがやりやすいだろう。パソコンでゲームを楽しむ人が、メカニカルキーボードを好んで使うのも腑に落ちる。
DAWソフトの操作も、もしかするとそういった側面を持つかもしれない。僕は普段Cubaseを使って作業しているが、録音に使うキー、たとえばテンキーの*(アスタリスク)やスペースキーを、「バシッ!」と激しく叩きたいときもある。だけど、激しく叩いても、それに応じた反発は返ってはこない。そのため猛烈な作業をしていて、アドレナリンが出ているときなどは、「のれんに腕押し」的な、張り合いのなさを感じることがあるのも事実。
もしあなたが、
- DAWで作業することが多い人
- PCゲームで遊ぶことが多い人
のどちらかで、かつ、文章を入力する機会が少ない場合。もしかすると、メカニカルタイプのキーボードの方が作業に適している可能性がある。もしREALFORCEを購入するときは、事前にお店で試し打ちしてみることをオススメする。
なお、念のためフォローしておくが、決して「REALFORCEだと操作がやりづらい」ということではない。僕はDAW操作で普通にREALFORCEを使っているし、全く問題なく使うことができていて、不満もない。あくまでも、「打鍵感の好みが影響しそうな事例」として挙げている。
僕は最近、備忘録作り等の用途で、文章を書くことも多い。そのためDAW操作と文章入力の両面でオールマイティーに使えるREALFORCEは重宝しているのだ。長時間文章を入力しても疲れないというREALFORCEのメリットは、やはりこの上なく大きい。
その他覚え書き
LEDの色は変えられる
マニュアルに書いてある通り、Fn+InsertでLEDの色を変えられる。デフォルトでは赤色になっているが、好きな色に変更できる。
- 赤 → 緑 → 青 → 紫 → 黄緑 → 水色 → 白
設定ボタンを押すたびに、上記の順で変わっていく。色は7種類から選べる。
REALFORCEでも使えるKVM切替器を紹介
REALFORCEがサポートしているのは、USB接続のみ。そのため、長年愛用してきたPS/2接続のKVM切替器が使えなくなってしまった。そこで、KVM切替器をエレコム KM-A22BBKに新調した。この製品が出来ることはキーボードとマウスの切り替えのみだが、問題なく使えているのでここで報告しておく。
※エレコム KM-A22BBKについては、別の記事で詳しく紹介している。
【レビュー】エレコム KM-A22BBKはシンプルで機能も十分なKVM切替器。ディスプレイ切り替えをHDMI切替器で行う人にもオススメです
おわりに
Majestouchも買ったときは相当良いなと思っていたけど、やはりREALFORCEの品質は一枚上手。最高級キーボードの名に相応しい、圧倒的なクオリティだと感じた。