目次
機材の導入・使い方
1
アマチュアは、セール品を買う。
プロは、必要なものを買う。たとえセールが開催されていても、必要なければ買わない。
2
アマチュアは、(広告向けに執筆されることも多々ある)レビュー記事を頼りに製品を評価する。
プロは自分の耳や感覚、あるいは客観的なデータを頼りに製品を評価する。
※音楽関係の製品は、個人の感性に評価が委ねられる部分も大きいため、客観的なデータを得るのが難しいところもある。
3
アマチュアは、機材やソフトを買っただけで満足してしまう。
プロは、買ったものをひたすら使い倒し、自分なりの使い方を見つける。
4
アマチュアは、サンプルをそのまま鳴らす。
プロは、サンプルの音色に不足している要素を見抜き、他のサンプルとレイヤーして(組み合わせて)独自の音色を作ることがある。
※リズムサンプルをDAWに直接貼り付けず、Batteryのようなサンプラーに読み込んで使うプロが多いのには、そういった理由もある。
Native Instruments /KOMPLETE 12
5
アマチュアは、シンセのプリセットをそのまま使う。
プロは、プリセットを必要に応じてエディットして使う。一からプリセットを自作するケースも多々ある。
音楽制作の特徴
6
アマチュアは、誰も聴いていないような細部に必要以上にこだわる。
プロは、音楽全体への影響が大きい要素から優先してこだわる。
7
アマチュアは、闇雲に上モノを飾り立てる。
プロは、曲の骨格となる4リズム(特にドラム・ベース)で手を抜かない。
8
アマチュアは、闇雲にトラック数を増やしてしまう。
プロは、聴かせたい要素を明確にして緻密に編曲する。
9
アマチュアは、コンプの使い方がおかしい。かけ過ぎていたり、逆に全然かけていなかったりする。
プロは、コンプを適切に使う。
※エフェクトの中で一番実力差が出やすいのがコンプ。
10
アマチュアの曲は、きちんとミックスしないとバランスよく聴こえない。
プロの曲は、音色選び、編曲、録音の段階で最大限工夫がされているため、フェーダーを揃えるだけで、ある程度ミックスバランスが取れている。
11
アマチュアは、ショボい素材をミックスで何とかしようとする。
プロは、高品質な素材を用意できるよう、録音や楽器、音作りに最大限こだわる。
12
アマチュアの曲は、時に音楽理論的に破綻している。
プロの曲は、一見奇抜であっても音楽理論的には破綻していない。
仕事術
13
アマチュアは、ソフトやプラグインをすぐにアップデートしてしまう。
プロは、安定した環境を維持するため、仕事が落ち着くまではアップデートしない。
14
アマチュアは、毎回イチから作業を始めてしまう。
プロは、既出のプロセスは保存して使い回し、効率化する。
※作業の効率化については、以前にも記事を書いた。具体例はこちら → 作曲家・アレンジャーがDAWで効率よく作業するためのテクニック集 10
15
アマチュアは、じっくり時間をかけないと作品を形にできない。
プロは、蓄積されたスキルとノウハウを駆使して、短時間でも最低限のクオリティを確保する。
16
アマチュアは、ファイルの管理がテキトー。
プロは、ファイルを失うことが致命的なダメージになることを知っているので、慎重かつ確実に、ファイルの整理とバックアップをしている。
17
アマチュアは、PCや機材が壊れると作業がストップしてしまう。
プロは、何かが壊れても作業を継続できるよう、最低限のサブシステムを用意している。
※「自分の体」のバックアップはできない。健康には気を使いたい。
スキル・経験・考え方
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アマチュアは、とにかく耳が未熟。ハーモニーに濁りがあっても気づかなかったりする。リズムが走ったりモタったりしていても、気にしなかったりする。
プロは、とにかく耳が良い。ハーモニーやリズムを感じ取る能力が高い。エンジニア的な耳(トランジェントや帯域バランスへの感度)を兼ね備えた人も多い。
19
アマチュアは、「商業的な理由によって分類された音楽ジャンル」に夢中になってしまう(アニソン、アイドル、ビジュアル系など)。
※アニソンしか知らない状態でアニソン作曲家を目指したりしてしまう。
プロは、「それらの音楽のルーツとなっている音楽」を掘り下げることを忘れない。
20
アマチュアは、自分の作品が完全に"オリジナル"だと思っている。
プロは、多くの音楽が、既存の要素の組み合わせで成り立っていることを知っている。
21
アマチュアは、音楽理論の習得が、音楽に制約をもたらすと思っている。
プロは、音楽理論の習得が、制約の無い音楽を生み出すことに繋がると思っている。
22
アマチュアは、技術よりもセンスが大事だと思っている。
プロは、技術を磨くことでセンスが開花すると思っている。
23
アマチュアは、DTMのスキルだけを頼りに音楽を作ろうとする。
プロは、DTMをこなせるだけではなく、何かしらの楽器を演奏できる人がほとんど。何気なく楽器を弾いている最中に、曲作りのインスピレーションを得たりする。
24
アマチュアは、音楽に触れてきた時間がそこまで多くない。
プロは、音楽を聴くことや、音楽を演奏(コピー)することに膨大な時間を費やしてきている。
25
アマチュアは、自分の好みに合わないという理由で、売れているアーティストを安易に批判・卑下する。
※アマチュアのメジャー批判ほど、みじめで愚かなことはない。
プロは、アーティストが売れているのには、それなりの理由があると理解している。たとえ好みではなくても、彼らの音楽や活動を客観的に分析し、フィードバックできる部分は自分の活動に役立てて行く。
26
アマチュアは、「プロという肩書き」を時に崇高なものと捉えてしまうことがある。
プロは、「プロという肩書き」が音楽に与える本質的な影響は、それほど無いことを知っている。
※大事なのは作り手の肩書きではなく、音楽の中身。
おわりに
今回はアマチュアとプロの違いをまとめてみた。
少し偉そうな言い回しが多くなってしまったが、これらの多くは、他でもない僕自身の成長記録の一部だ。もし役立ちそうな項目があれば、参考にしてほしい。