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DAW作業に必須!おすすめのモニターコントローラーを8つ紹介【DTM】

※2020年6月24日:記事をリライト。Audient NEROとBEHRINGER MONITOR2USBを追加

モニターコントローラーとは?

「モニターコントローラー」とは、スピーカーの音量を調節したり、複数のスピーカーを切り替えたりするための装置だ。

モニターコントローラーの機能で特に重要なのが、「音量調節」の機能。音量の調節は、手元のボリュームでできたほうが絶対にいい。仮にパソコンの中で音量調節をするとなると、次のような弊害が出てくるからだ。

  • デジタル的にボリュームを落とすことによる音質劣化
  • 利便性の欠如(→マウスのドラッグ操作は面倒)
  • 誤操作による爆音の発生

こういった理由があるため、音量調整はPC上ではなく、手元のボリュームで行ったほうがいいのだ。

もっとも、オーディオインターフェイスの中には、ボリュームツマミが付いていて、モニターコントローラーの機能も持つ機種もある。そういう機種を使っている人は、別途モニターコントローラーを買う必要はない。

だけど、モニターコントローラーは音量調節以外にも、複数の機能を持っている。それらの機能を「便利そう」と感じた人は、導入を検討してみることをオススメします。



モニターコントローラーの主な機能4つ

1. 手元でのボリューム調節

「手元でボリューム調節ができる」というのは、モニターコントローラーを導入する大きなメリットのひとつ。

上記の図のように、オーディオインターフェイスとスピーカーの間に、モニターコントローラーを挟む。モニターコントローラーのボリュームをいじることで、スピーカーの音量を調節できる仕組みだ。

2. 複数のスピーカー切り替え

モニターコントローラーの多くは、出力系統を複数持っている。これにより、複数のスピーカーを切り替えながらミックス作業を行うことができる。

3. 複数の入力信号の切り替え

モニターコントローラーの多くは、入力系統を複数持っている。

なので、たとえば複数のPCを使い分けていて、それぞれのPCでオーディオインターフェイスを使っているような場合。モニターコントローラーを使えば、使用中のPCの音声を、手元で切り替えられる。

4. ヘッドホン端子の増設

モニターコントローラーの多くは、ヘッドホン端子を搭載している。

もしあなたが今使っているオーディオインターフェイスのヘッドホン端子に対して、

  • 端子の数が足りない
  • 音質が好きじゃない

といった理由で、物足りなさを感じている場合。モニターコントローラーを導入することで解決する可能性がある。

エントリーモデル

ここからは各種モニターコントローラーを紹介していく。価格帯ごとに、おすすめ製品を挙げていく。

PreSonus Monitor Station V2

僕も以前、初代Monitor Stationを使用していた。その前に使っていたBEHRINGER MON800から乗り換えたときに、音質が明らかに上がったのを覚えている。

アナログ入出力をステレオ3系統ずつ持っていて、トークバックマイクも付いている。同価格帯の中では機能が豊富なモデルといえる。

V2からはS/PDIF入力も搭載され、別途デジタル入力が可能になった。

後述のCentral Stationにも言えることだが、PreSonusのモニターコントローラーはとにかく使い勝手が良い。音質劣化も許容範囲。この価格帯の中では、最もオススメできるモデルだ。

Mackie Big Knob Studio

Big Knobといえば、モニターコントローラーの草分け的存在。2000年代後半ころは、中田ヤスタカ氏をはじめ多くのクリエイターが使っていた。

そんな製品がBig Knob Studioとしてリニューアルされた。USBオーディオインターフェース機能が付いていたりと、コストが分散してそうなのが個人的には残念だが、音質は申し分ないクオリティで安心して使うことができる。

「Big Knob」の名の通り、大きなボリュームツマミが健在なのが嬉しい。

BEHRINGER MONITOR2USB

「安いのに音が高級品並み!」と評判のモニターコントローラー。製品名や仕様を見てみると、某メーカーのモニターコントローラーを意識して作られている気もする。どのくらい音が良いのか、一度試してみたい製品だ。




ミッドレンジモデル

Audient NERO

※2020年6月24日追記

ついに自信を持ってオススメできるモニターコントローラーが登場してくれた。ステレオ3系統の入出力にヘッドホン端子4つを搭載。音も良く、値段もお手頃という超コスパ機。他のモニターコントローラーが持つ弱点を全て解消したパーフェクトっぷりが光る。

詳細は別の記事でレビューしているので、そちらを参照してほしい。

【レビュー】Audient NEROは新時代の定番を予感させる高品質なモニターコントローラー。値段以上の音質を届けてくれる名機です

SPL 2Control

ステレオ2系統ずつの入出力にヘッドホン端子2つというシンプルな設計。必要最低限の機能のみを備えており、音質面での評価が非常に高い。

同価格帯の他のモニターコントローラーからこれに乗り換え、「音が良くなった!」と言っている人を多数知っている。音質優先の人や、特に機能的な部分にこだわらない人は、これを選ぶとよい。

入出力端子は全てXLRとなっている。

Conisis M04

国産メーカーのモニターコントローラーだ。信頼できる音響メーカーのため音質への信頼度も高い。惜しむらくはヘッドホン出力がステレオミニジャックなところ。

中田ヤスタカ氏はずっとBig Knobを使用してきたが、2012年頃よりこのモデルを使用しているようだ。

出典:サウンド&レコーディング・マガジン 2012年4月号


Presonus Central Station + CSR-1

アナログ入力をステレオ3系統(うち1つはRCA)、出力もステレオ3系統、トークバック付きと、同メーカーのMonitor Station V2と基本スペックは似ているが、それをパワーアップさせたラックマウントタイプのモデルとなっている。

別途デジタル入力も1系統搭載している。

特筆すべきはCSR-1というコントローラーが付いている点。本体はラックにマウントさせ、普段のボリューム操作はCSR-1で行う。これによりケーブルがごちゃごちゃせず、スッキリとしたセッティングが可能になる。

音質だけを考えるならConisisやSPLの方が上だろうが、機能性ではこちらに軍配が上がる。Central Stationは、音質と使い勝手のバランスに優れたモデルと言えるだろう。

注意すべき点としては、ヘッドホンのボリューム操作をするときに、CSR-1ではなく、本体側で調整する必要があるということ。海外のフォーラムでもネタになっている。

So every time I need to adjust my headphone volume, I have to get up and go to the rack which is a PITA.

出典:Presonus Central Station headphone volume control

ハイエンドモデル

この価格帯のものは僕も実際に使ったことがなく、未知の領域となっている。これは間違いない!と思えるものを1点だけ紹介する。

GRACE design m905

最高級の品質を誇るGRACE design社のモニターコントローラー。

スピーカー、ADC、DAC、クロック精度などはもちろん、部屋の音響特性も万全の状態でその真価を発揮するだろう。とにかく最強のモニターコントローラーが欲しい人はこれで決まり。値段が値段なので、プロ作編曲家やエンジニアの愛用者も多い。

デジタル入力にも対応しており、DAコンバーターもついている。このクラスになってくると、他のモデルとは異なり、単体の高級コンバーターにも引けを取らないクオリティとなってくる。この高品質なDAコンバーター目当てで導入する人も多い製品だ。

※デジタル入力無しのモデル(m905 Analog)もある。そちらはもう少し安い。




おわりに

モニターコントローラーは基本的に価格が音質に直結する製品。お使いのスピーカーやオーディオインターフェイスのグレードに合わせて、適切な価格帯のものを選びましょう。