目次
TASCAM AV-P250とは?
TASCAM AV-P250はパワーディストリビューターだ。パワーディストリビューターとは、ひとことで言うと、「ラックマウント可能な、音楽制作 or オーディオ向けの電源タップ」だ。
導入することで、次のようなメリットが生まれる。
- ノイズフィルターにより電源がきれいになる ⇒ ノイズの混入を防げる
- コンセントの数が増える ⇒ 使える機材の数が増える
- ラックマウントできる ⇒ 他のラック機材と一緒にまとめられるので省スペースになる
機材が増えてきた人は導入したほうが何かとはかどる一品だ。
他にもパワーディストリビューターは色々あるけど、結論としては、100Vの電圧でしか使わない人にはこの製品がベストだ。良い製品だと感じたのでレビューしてみたい。
TASCAM AV-P250のいいところ5つ
1. コンセントの数が多い
ラック前面に3個、ラック背面に10個、合計13個のコンセントが搭載されている。同価格帯のパワーディストリビューターの中では、コンセントの数は多いほうだといえる。
ラック前面の電源3つは「UNSWITCHED」タイプの電源になっていて、本体の電源がOFFの状態でも通電される仕様になっている。機材を使わないときでもスマホの充電などができるので便利。
2. 極性チェッカーが付いている
背面のPOLARITY CHECK端子に手で触れると、極性が正しいかどうかをネオンランプで確認できる(点灯しなければOK)。個人的にはこれが当製品で最も秀逸な機能だと感じる。
電源プラグには、実は正しい向きがある。コンセントに正しい向きで差し込むことで、ノイズが乗りづらくなり、オーディオ的な恩恵が受けられる。
コンセントの極性を確認するためには、通常テスター等を利用する必要があるが、当製品の場合は、このチェック機能のおかげで簡単に極性が判別できる。
3. 電源ケーブルが長め
電源ケーブルの長さは3m(出典:サウンドハウス)。長さには余裕がある。
以前FURMANのパワーディストリビューターを使っていたときは、僕の環境だと壁コンセントまで届かず、延長コードを使う必要があった。当製品だとそんなこともないので嬉しい。
4. 本体の奥行きが長め
当製品の奥行きは29.2cm。多くのラック機材と同じくらいの奥行きを持つので、使い勝手が良い。
奥行きが短いパワーディストリビューターだと、電源ケーブルを差し込む際に、ラックの背面に回って、奥まったコンセントまでウーンと手を伸ばして……と微妙に使い勝手がイマイチだったりする。なので、当製品の奥行きはよく考えられていると思う。
5. 3P-2P変換アダプターが付いている
家庭用の壁コンセントに差し込むことを想定しているのか、3P-2P変換アダプターが付属しているのが嬉しい。別途買い足さなくてもそのまま使える。
※他のパワーディストリビューターだと、別途変換アダプターを用意する必要があったりする。
TASCAM AV-P250の惜しいところ2つ
1. 100Vでしか使えない
当製品は100Vの壁コンセントに直接差し込む必要がある。電圧は100Vでしか使えない(とマニュアルに書いてある)。
100Vで機材を使う人が大半だとは思うが、音質のために昇圧を考えている人は注意しておきたい仕様。
2. アダプターを差すと隣のコンセントがふさがる
あたかもACアダプターで使うことを想定されたような、「となりのコンセントと間隔を空けて、余裕を持った配置になっているようなコンセント」は、当製品には付いていない。
ただ、合計13個ものコンセントが搭載されているので、多少アダプターでとなりのコンセントがふさがろうとも、問題はないだろう。どうしても気になるなら延長コードでも買えばいい。
覚え書き
発熱は少なさそう
ラックマウント時は、放熱のために1Uだけ(=ラックのスロット1個分だけ)、本体の上部を空けておくようマニュアルに指示がある。だけど、5~6時間使用を続けてみても、個人的にはそこまで熱を持つ印象はない。
どんな人が導入するべき?
以下の2条件を両方満たす人は、導入してしまってOKだ。
- DTM(DAWを使った音楽制作)をしている人
- ラック系の機材を1つでも持っている人
「コンセントを1つしか使わないのにラック型のパワーディストリビューターなんて必要なの?」と思うかもしれない。だけど、ラック系の機材というものは、1つでも導入してしまうと、それ以降に導入するラック機材は、平積み(ラックマウント)していくことになる。
ラック機材が1つでも2つでも、床の専有スペースは変わらない。ならば導入してしまっても問題ない。
モニタースピーカーに、オーディオインターフェイスに、MIDIキーボードに……音楽制作をする上でコンセントはたくさん必要だ。これらの電源ケーブルも、ラックマウントされた1つのパワーディストリビューターにまとめてしまえばスッキリするはず。
マイクプリアンプや多チャンネルのオーディオインターフェイス等、何かしらラック機材を導入するタイミングで、パワーディストリビューターを導入してしまうのがオススメだ。