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【2021年】音楽を正しく聴くための方法・サービスをまとめてみる。料金コスト・楽曲ラインナップ・利便性をトータルで考えよう

※2021年6月3日:記事を微調整

みなさんは普段、音楽をどうやって聴いているだろうか。

ストリーミングサービスで聴く人、YouTubeで聴く人、由緒正しくCDで聴く人。かつてないほどに音楽の聴き方が多様化しているのが、今という時代なのかもしれない。テクノロジーの発展に伴って、音楽コンテンツを取り巻く環境も大きく変わってきている。

この記事では、音楽を正しく聴くための方法・サービスをまとめてみる。それぞれのサービスにメリットとデメリットがあり、コストも変わってくる。自分に合った方法を選びたいところだ。

正しく音楽を聴く方法まとめ

1. ストリーミングサービスで聴く

2019年頃から利用者が一気に増えはじめ、現在ではすっかり主流となった、音楽の聴き方だ。

ストリーミングサービスを利用すれば、月に一定額を払うことで音楽が聴き放題になる。どのサービスにも数千万曲が登録されており、国内外の多くのアーティストの音楽を聴くことが可能だ。

主なストリーミングサービスとしては、Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimited、YouTube Music Premiumなどが挙げられる。料金はどこも横並びだ。

日本では未だに音楽CDが売れる傾向にあるため、2019年頃の時点では、ストリーミングサービスはそれほど普及していなかった。だがそれでも、ここ1~2年くらいで、B'z、Mr.Children、宇多田ヒカル、BUMP OF CHICKENといった日本の大物アーティストが続々とストリーミングサービスでの音楽配信を解禁してきている。日本のアーティストのラインナップが充実し、一気に普及が進んだ。

ストリーミングサービスのメリットは、何といっても世界中の多くの音楽が聴き放題になることだ。「とにかく多種多様な音楽を、浴びるように聴きたい」。そんな音楽好きの人ならば、今すぐ加入すべきサービスだと断言してもいい。

僕はSpotifyの有料プランに加入しているが、USやUKの洋楽の曲はたいてい網羅されているし、昔のジャズだったり、異国の民族音楽だったり、日本ではCDを売っていないようなマニアックな音楽ですら置いてあることが多い。CDで音楽を楽しんでいた頃と比べて、「未知の音楽へアクセスできる速度」や「音楽を体験できる絶対的な量」が大きく増加したと感じている。

デメリットは、日本のアーティストだと曲を置いていないアーティストも少なくないことだ。アイドル、声優、アニソン歌手あたりは、軒並みラインナップが寂しい。

2. CDをお店でレンタルして聴く

レンタルCDを利用するときは、CDをリッピングしてデータで取り込むのが一番おトクだし、そういう人が大半だと思う。なのでそういう前提で話をする。

レンタルCDの楽しみ方は次の通り。

  1. TSUTAYA等の店でCDをレンタルしてくる。
  2. CDをパソコンの光学ドライブに入れて、iTunes等のソフトウェアでリッピングする。
  3. CDやデータで音楽を楽しむ。ブックレットも眺めてみる。
  4. CDを返却する。返却後も、リッピングしておいたデータを再生すれば、好きなときに音楽を楽しめる。リッピングしたデータはスマホに転送して聴くこともできる。

なお、私的利用におけるリッピングは下記のとおり合法なので、法律上も問題は無い。

Q8:レンタル店から借りたCDを自分のパソコンにコピーするのは違法ですか?
A8:違法ではありません。レンタル店から借りたCDを自分で聞くためにコピーすることは、「私的使用のための複製」に該当するのでコピーできます。違法ではありません。

出典:音楽利用について Q&A集|一般社団法人 日本レコード協会

レンタルのメリットは、コストの安さ。CDを購入するのに比べれば、コストが10分の1程度になる。「ストリーミングサービスに曲を置いていないような日本のアーティスト」の曲を聴こうと思った場合、CDレンタルを利用するのが最も低コストで音楽を楽しめる方法になる。

もう一つのメリットは、CDレベルの音質を楽しめるということ。ロスレス圧縮 or 非圧縮でリッピングすれば、ストリーミングサービスでは味わえない高音質での音楽鑑賞を楽しむこともできる。

デメリットは、お店でレンタルする場合、借りる/返却するのに手間がかかること。もう一つのデメリットは、CDのリリースからレンタル開始日までは期間があるので、その間は待つ必要があるということだ。特に洋楽のアーティストだと1年くらい待たされることも多い。洋楽を中心に聴いているような人であれば、前述のストリーミングサービスを利用したほうが断然コスパは高いと思う。

3. CDをネットで宅配レンタルして聴く

宅配レンタルのメリットは、レンタル/返却の手続きが楽なことだ。送られてきたCDを封筒に入れて送り返すだけなので、近くにレンタルCD店がなくても問題ない。使い勝手はお店でレンタルするのとだいた同じ。意外にも、料金もさほど変わらない。

デメリットは、ブックレットが付属しないことだろうか。ただ、歌詞の情報はネットでいくらでも手に入る。「ミュージシャンやエンジニアのクレジットを見たい」というマニアな人でもない限り困ることはなさそう。

「TSUTAYA DISCAS」という宅配レンタルサービスには、「定額レンタル8」というプランがある。このプランは名前に「8」と付いているものの、CDに関しては借りられる枚数に制限がない。


(参考)

「配送されるのが1回につき2枚だけ」という制限はあるが、「ある一定期間だけ、CDをたくさん借りたい」という人にとっては、非常にお得なサービスだといえるだろう。多くの実店舗と比べて、レンタルCDのラインナップが豊富なのも魅力だ。

4. CDを購入して聴く

昔ながらの聴き方だ。メリットとしては、

  • 高音質な音源を楽しめる
  • ジャケットやブックレットが手に入る
  • 所有欲が満たせる
  • 応援しているアーティストの利益につながりやすい

といったところだろうか。アーティストによってはCD特典が充実していることも多いので、熱心なファンの場合、CDを買うことで得られる副産物も大きいかもしれない。

デメリットは、他のサービスと比べてコストが高いということ。あとは「所有欲が満たせる」の裏返しで、保管に場所を取られるのも無視できないポイント。

CDプレイヤー自体の普及率は当然下がってきているし、最近のパソコンには光学ドライブが搭載されていないことも多い。さらには便利なストリーミングサービスが台頭してきているという状況を考えると、音楽CDというメディアが将来的に廃れていくのはほぼ確実だろう。

5. 音楽データを購入して聴く

iTunes Music Store、Amazon Music、mora等のサイトでは、音楽データのダウンロード購入が可能だ。AACやmp3等、圧縮音源の販売が中心だが、moraのようにハイレゾ音源を販売しているところもある。

ハイレゾ音源を楽しむ場合は、フォーマットの関係上、必然的にデータで購入して聴くことになる。

6. YouTubeで聴く(※違法コンテンツ除く)

海外のアーティストの多くは、プロモーションのために、新曲のミュージックビデオをYouTubeにアップロードしている。日本では未だにYouTubeへ音楽をアップすることに消極的なアーティストは多いが、時代の流れを考えれば、今後はどのアーティストもWeb上で音楽をシェアする流れになっていくだろう。

メジャーなアーティストだけでなく、今や世界中のミュージシャンにとって、YouTubeに音楽をアップすることがプロモーションのためのスタンダードな手法となりつつある。こういった状況がある昨今、新曲をチェックするためのツールとしては、YouTubeは便利なものといえるだろう。

ただし、音楽をじっくり鑑賞するためのツールとしてYouTubeを選ぶことはオススメできない。なぜなら、YouTubeにアップされている音源は、音質が良くないことが多いからだ。

公式にアップされた動画ですら、YouTubeの仕様上どうしても、ストリーミングサービス等に比べれば音質は劣化してしまう。理由は以下の通り。

  • YouTubeの仕様上、アップされた動画には「再エンコード」が発生してしまう。どうやっても、オリジナルの音源より音質は劣化する。
  • ラウドネスノーマライゼーション(音量の均一化)が働くので、多くの音楽においてはボリュームが勝手に下げられる。データ上ではボリュームMAXのときが一番音が良いので、その分音質は劣化してしまう。

違法にアップロードされた動画の場合は、なおさら音質が劣化していることが多い。※ひどい音質の動画も多々ある。

そんなわけで、YouTubeの動画は、あくまで試聴するためのものと位置づけましょう。じっくり音楽を聴くときは、サービスにきちんとお金を払って、ちゃんとした音質の音源を聴くことをオススメします。

なお、もしあなたが音楽に携わるプロを目指している場合は、なおさらこのことに気をつけてほしい。低音質な音源を聴いても、音楽に詰め込まれている情報を、すべて受け取ることはできないからだ。「ちゃんとした音質の音源を聴けば得られるはずだった音楽的な情報」――いわば「耳を育てるための経験値」を、フルで取得できずに取りこぼしてしまうことになる。

音楽を聴く時間というのは、耳を育てるための貴重な時間だ。なるべく低音質な音源を回避していったほうが将来のためになる。



補足:リスニング環境について

これまで音楽データ自体の品質について触れてきたが、それ以上に重要なのがリスニング環境。スマホ・ノートPC・液晶ディスプレイ等の内蔵スピーカーだと、低音がほとんど出ていないし、音質的な解像度も低い。こういう環境で聴いていると、多くの音楽的情報を取りこぼすことになり、非常にもったいない。スピーカーを鳴らせない人も、最低限イヤホンやヘッドホンを使いましょう。

参考までに、ヘッドホンのおすすめを挙げるなら、AKG 240mk2は初めて高いヘッドホンを買う人にも良い製品だ。装着感も良いし、AKGらしい聴き疲れしない音質をしている。プロの作曲家の使用者も多い。

おわりに:結局どの方法がいいのか?

今回は、音楽を正しく聴くための方法・サービスをまとめてみた。

記事ではいくつか方法を挙げてみたが、個人的には、以下の2つの方法を併用するのがオススメ。

  • ストリーミングサービス:普段の音楽鑑賞や、新曲探しに使う
  • CDレンタル:Spotifyには無いアーティストの作品や、CD音質で聴きたい作品を聴くために使う

どちらもサービス品質と値段のバランスに優れていて、コストパフォーマンスは高い。また、2つの方法を併用すれば、

  • 「邦楽が少ない」というストリーミングサービスの弱点
  • 「洋楽の新譜解禁が遅い」というCDレンタルの弱点

これらを相互に補完することができる。2つを併用することで、多くの音楽を網羅できるようになるだろう。