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【DAW】OS再インストール時のメモ:効率の良いソフトシンセの再インストール方法

※2017年12月4日 一部項目を加筆修正

OSクリーンインストールの覚え書きも今回で最後。その1ではアクティベーション解除が必要なソフトシンセについて紹介した。その2ではDAW向けのWindowsの設定方法について解説した。

今回は、効率よくソフトシンセを再インストールする方法について解説する。

ピアノ音源やドラム音源などの中には、音源ライブラリをHDDから読み出して音を鳴らすものが多い。そういったソフトのインストール作業は、たいてい2つのプロセスに分かれている。

  1. ソフトウェア自体(dllファイル)のインストール
  2. 音源ライブラリのインストール

このうち、時間がかかるのは2の方。最近は2のプロセスを省略することができるソフトが多い。そういったソフトでは、あらかじめライブラリのフォルダを別のHDD(SSD)に入れておけば、ライブラリ部分の再インストールなしにスムーズな環境復旧が可能だ。

ただしこの技が使えるかどうかはソフトによって異なるし、その手順もまちまち。

またソフトによっては、インストールディスクからインストールしなければならないもの、アップデータだけでインストールできるもの、それぞれ存在する。

そこで僕が実際に再インストールを行ったときにまとめたメモを、記事にして公開してみる。OSクリーンインストールなどの際に役立ててほしい。

Spectrasonics(Omnisphereなど)

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ライブラリが別のHDDに入っていれば、再インストール時はアップデータのみをインストールすればOK(インストールディスクは必要ない)。

その手順は次のとおり。代理店のサイトにも記述があるが、完結にまとめ直した。※Windows想定。Macの人は適宜読み替えてください。

  1. 「C:ProgramData\Spectrasonics」というフォルダを作成する。
  2. Spectrasonics製品のライブラリが含まれているHDD(外付けHDDなど)から、STEAMフォルダを探す。
  3. 2のフォルダのショートカットを作成し、1に移動させる。
  4. アップデータをインストール(元のディスクは使わなくて良い)。

このようになる。これでインストール作業はすべて完了。ソフトを起動しオーサライズを済ませれば、問題なくプリセットが読み込める(=ライブラリ指定が問題なく行われている)ことが確認できるはず。

ちなみにこれはOmnisphreやTrilianの場合。Stylus RMXのときは、「STEAM」を「SAGE」と読み替えて同じことをすれば良い。

画像のように、「STEAM」と「SAGE」のショートカットフォルダが該当の箇所にあればOK。※画像に表示されているその他のファイルは、インストール後に生成される。

参考:Spectrasonics製品コンピュータ変更時のインストール方法(代理店サイト)

Spectrasonics Omnisphere 2



Native Instruments

※2017年12月4日 加筆修正

KOMPLETE11以降では「Native Access」というソフトウェアを使い、NI製品のインストールを管理することになる。

VSTプラグインの場所やライブラリの置き場所は、Nativ Access画面の右上、Preferenceから設定できる(全ソフトに影響する)。そこでライブラリのパスを指定しよう。

既にライブラリがインストール済みの場合、ライブラリの実質的なインストールは省略されるようだ(Battery4で確認)。ただし、Native Access上で形式上のインストールは行う必要がある。さもないとライブラリが反映されない。

Battery4では、ソフト上でファクトリーライブラリのパスの指定はできないので、再インストールの際も、やはりNative Access上でライブラリ部分のインストールを形式上行う必要はありそうだ。

Kontaktのライブラリについて

Kontaktの最新版では「Add Library」という、ライブラリを追加するコマンドがなくなってしまった。そこで、Kontaktのver 5.6.6にダウングレードして「Add Library」でライブラリを追加した後、再びKontaktの最新版にアップするという方法が公式で推奨されている(なんとも面倒な仕様だが……)。

(参考)KONTAKTライブラリが既に別のハードドライブにインストールされている場合にKOMPLETEバンドルを再インストールする方法

Sample Modeling社のThe Trumpetなど、Kontaktエンジンの他社音源をインストールする場合、NI製品とはライブラリの場所を分けたいこともあるだろう。そんなときはこの方法を取るのが良いと思う。

KOMPLETE7の場合(※古い情報です)

ライブラリに関しては別のHDDに入っていれば、引き継ぎが可能。ただし、Spectrasonics製品とは異なりアップデータのみではインストール作業はできない(KOMPLETE7で確認)。きちんと元のディスクからインストールした後、アップデータを当てること。

インストールした後間もなく、NI Service Centerが自動でアップデートされるようだ。

MASSIVE、FM8、ABSYNTH 5などは、起動したばかりだとプリセットが表示されない。オプションから「Rebuild Database」を選んで少し待つと、表示される。

XLN Audio (Addictive Drums)

※2017年12月4日 加筆修正

Addictive Drumsはオンラインインストーラーでなければインストールできない(2017年12月現在)。Webサーバーからデータをダウンロードしながらインストールが進んでいくため、新規インストールの場合かなり時間がかかる(ライブラリ込みだとたぶん30分~1時間くらい)。

ただし、再インストールの際など、HDDに既にライブラリがインストールされている場合は、インストール作業はもっと早く済む。インストール時にライブラリのパスを指定できるが(←画面右上の「Advanced」という項目)、その指定されたパスにライブラリのデータが既にインストールされている場合、ライブラリ部分のインストールは省略される。パスを指定すると、そのディレクトリのデータがスキャンされ、インストールが必要かどうか判断してくれるようだ。



Steinberg HALion Sonic

※古い情報です

HALion SonicもNI KOMPLETE同様、インストールディスクからインストールする必要あり。ライブラリ部分に関しては、"裏技"を使えばインストールの省略が可能。

その裏技について説明する。HALion Sonicではライブラリのパスを指定する設定項目がどこにもない。しかし、ライブラリのHDDを参照し、Contentフォルダの中のHALion Sonicの音色ファイルをHALion Sonic(スタンドアローン版)の画面にドラッグ&ドロップすれば、何故か認識に成功し、問題なく使うことができるようになる。

ちなみに、この裏技は、ディスクからHALion Sonicをインストール後、「アップデータを適用した後」でなければ使えない(1.6.3のアップデータで確認済み)。

なんとも不可思議な仕様となっているが、僕の環境では問題なく使うことができている。

Synthogy Ivory

※2017年12月4日 最新版の情報に加筆修正

こちらもSpectrasonics製品と同じように、すでに別SSDなどにライブラリがインストール済みの場合は、アップデータ(インストーラ)だけ実行すればよい。

  1. 「Ivory Win Update 2.5.0.8」などを実行。
  2. インストール時にライブラリのパスを指定する(「Ivory Items Library Location」という項目)。
  3. インストールを完了する。

これでOKだ。

なお、「Ivory Library Tool」というソフトも同時にインストールされる。それを使えば、後からライブラリのパスを変更することも可能だ。

※「Ivory Library Tool」の場所 → C:\Program Files (x86)\Synthogy\Ivory



SWAMエンジン (Sample Modeling The Saxophonesなど)

インストールは普通に行えばOK。ただしサンプルを別のHDDに置く場合、「Option > Resources Root Path」からディレクトリを指定する必要がある。その際、ライブラリのルートディレクトリを指定することに注意(深層のフォルダだとNG)。

例:「E:\Sample Modeling」

EastWest Symphonic Orchestra

このソフトも、すでに別HDDにライブラリがインストール済みの場合は、Playエンジンのインストーラだけ実行すればOKだ。

  1. Playエンジンだけインストールする。
  2. Playを立ち上げ、ブラウザからライブラリの適当なパッチを読み込んでみる。
  3. パスの指定をするようにアラートが出るので、指定する。
  4. 普通に使えるようになる。

おわりに

今回はインストールにつまずきやすいソフトシンセを中心に、インストール方法を紹介した。他にも何か気づいたことがあれば、今後も追記していく予定だ。