今の時代、譜面データはPDFファイルでやりとりすることも多い。
PDF譜面は、やはりタブレットで表示させるのが便利。印刷する手間がかからないし、環境にも優しい。今回紹介する「HERCULES DG305B」は、タブレットで譜面を利用するミュージシャンにとっては、とても便利なアイテムだ。
例えば、
- マスターリズム譜を見ながら、サポート演奏を行う「セッションプレイヤー」
- コード譜を見ながら、自宅でアコースティックギターを録音したい「作曲家/アレンジャー」
- メロディ譜面を見ながら、複雑なラインのコーラスを自宅で録音したい「シンガー」
といった人たちにはピッタリ。
特に、歌やアコギを自宅録音するミュージシャンにとっては重宝すること間違い無しのアイテムだ。コンデンサーマイクを使って録音する場合、マイクの配置の都合上、演奏中にPCディスプレイに表示させた譜面を確認するのは難しいことも多い。かといって、わざわざ譜面を紙に印刷するのは面倒……そんな状況が多々あるため、タブレットを好きなところに配置できるこのツールはとても役に立つ。
もしあなたがミュージシャンなら、家でもスタジオでもステージでも、周りにマイクスタンドが1本くらいはあるはず。DG305Bを挟み込めば、マイクスタンドはiPadスタンドに早変わりだ。
目次
HERCULES DG305Bって何?
HERCULES DG305Bは、マイクスタンドなどに取り付けることのできるタブレットホルダーだ。DG305Bをマイクスタンドの支柱に挟み込み、タブレットをホルダー部分に装着するのが基本的な使い方。
セッティングが済むと上記の画像のようになる。縦置きのiPadがピッタリ収まり、いい感じで譜面が表示できている。
DG305Bのいいところ4つ
1. 高さを自由に変えられる
DG305Bは、マイクスタンドの支柱に挟み込んで固定する仕組みになっている。だから、当たり前だけど好きな高さに設置することが可能だ。後から高さを微調整するのも簡単。
※ネジを緩めてタブレットの高さを変えて、再度ネジを締め直すだけ。
2. 角度も自由に変えられる
タブレットを装着するホルダーと、マイクスタンドに接合する側のパーツ。これらはボールジョイントで接合される仕組みになっている。おかげで、三次元空間のあらゆる方向に向かって、好きなように回転させることができる。タブレットの角度を決めたら、黄色いネジ(画像参考)を締めれば固定できる。シンプルかつ便利な機構で、完成度が高い。
3. セッティングが簡単
一度パーツ同士を組み立ててしまった後は、セッティングも簡単。もし外のスタジオやライブハウスに持参して使うときも、DG305Bをマイクスタンドに挟み込んで、タブレットをホルダーに挟み込むだけでセッティングは完了する。ミュージシャンはステージ本番ではスピーディーな転換が求められるが、そんなときも素早いセッティングが可能だ。
4. 多くのタブレットに対応している
The HERCULES Tablet Holder DG305B features its versatile design to fit 7" - 12.1" tablets
上記の公式サイトの記述通り、7~12.1インチまでのタブレットに対応している。というわけで、現行の最も大きいiPad Pro(12.9インチ)には対応していないものの(注意)、その他の数多くのタブレットには対応している。こういった汎用性の高さは嬉しいポイント。
各パーツの紹介
ここではDG305Bを構成する各パーツを見ていく。
ホルダー
タブレットを挟み込むパーツだ。
- 下に伸びる2本の脚
- 上に伸びる1本脚
が付いていて、それぞれ角度や長さを調整することができる。
1. 下に伸びる2本の脚について
背面のロックレバー(下記画像内の横4本ラインが入った部品)を解除すると、脚の開く角度を調整することができる。
タブレットの横幅に合わせて、脚の角度を調整すればOK。
ちなみに、脚の先にはガイドが付いているが、このガイドも角度調整が可能。脚の開く角度に応じて、地面と直角になるようにガイドを回転させてやるとよい。タブレットの左下と右下の角を、ピッタリと合わせることができるはずだ。
2. 上に伸びる1本の脚について
背面のもう一つのロックレバー(上記画像で上に向かってピョコンと飛び出てるやつ)を解除すると、脚の長さを調整することができる。タブレットの縦幅に合わせて、脚の長さを適切に調整すればOK。
3種類から選べるパーツ
ホルダーではない方のパーツは、どこに設置するかに応じて、3つのうちから選ぶ仕様になっている。
1. スマート・クランプ
マイクスタンドに取り付けるためのパーツ。たぶん多くのユーザーは、3つの中からこのパーツを選ぶことになるはず。
ネジを緩めると、パカッと開くようになっている。
そのままマイクスタンドに挟めばOK。マイクスタンドに挟むと、次の画像のような雰囲気になる。
2. EZアダプター
「マイクスタンドの支柱の上部」に取り付けるためのパーツだ。説明書や公式サイトを見ても分かりづらいのだが、レバー状のクランプ機構で支柱に挟み込んで設置する仕様になっている。
※マニュアル等ではあたかもネジの部分に装着するかのように記述されているが、特に中身はめねじ仕様にはなっていない。あくまでも挟み込んで固定する仕様。
立って演奏するギタリストなど、「高い位置でタブレットを見たい人」には便利かもしれない。
3. サクション・カップ
吸盤を使って、平面に取り付けるためのパーツ。机の上で使うには便利なのかもしれないが、吸盤の接着力だと少し心配だし、個人的には使う予定はないかも。
組み立て時のポイント
スマート・クランプと、ホルダーのボールジョイント(球体の部分)の結合は、次の手順で行う。
- スマート・クランプの穴に、ホルダーのボールジョイントをはめ込む。けっこうキツいので、少し力を込めないと入らないことに注意。
- 黄色いネジを締める。ネジを締めると、ボールジョイントが固定される。逆に、緩めるとクルクル回るようになる。シンプルな仕組み。
注意:DG300Bと間違えないように!
商品名 | 対応サイズ |
---|---|
DG300B | 7~10.1インチ |
DG305B(今回の商品) | 7~12.1インチ |
公式サイトを見ても分かる通り、HERCULESのタブレットホルダーには2種類のラインナップがある。今回紹介している「DG305B」は12.1インチまで対応しているが、ワンサイズ小さい「DG300B」は10.1インチまでしか対応していない。
最近のタブレットは大きいものも多い。特に譜面を表示させる用途であれば、大きめのタブレットを使う人が多いはず。手持ちのタブレットとサイズが適合するかをきちんと確かめた上で、タブレットホルダーを購入しましょう。