作曲家・ミュージシャンが英語を習得する6つのメリットを紹介【DTM】

英語を習得する6つのメリット

1. 英語のコンテンツで作曲やDTMのスキルを学べる

英語力があれば、英語のYouTube動画や、英語で書かれたサイトから有益な情報を得ることができる。

Webコンテンツが加速度的に充実してきている昨今。音楽制作に関するコンテンツも例外ではなく、たとえば、

  • シンセの音作り
  • DAW等各種ソフトウェアの使い方
  • アレンジ(編曲)のテクニック
  • 音楽理論

こういった内容をYouTubeで学ぶことが可能だ。そして注目すべきは、有益な情報の多くは英語圏の人によって発信されているということだ。これは実際にYouTubeの動画を調べてみれば分かる。たとえばEDMシンセのSylenth1で、シンセプラックの音を作りたくなったとしよう。「Sylenth1 Pluck」というキーワードでYouTubeを検索してみる。

「Sylenth1 Pluck」(YouTubeの検索結果)

音作りの解説動画がたくさん出てくることが分かる。日本語だと、こういうジャンルの動画で質の高いものを探すのは難しい。

※日本の動画は初心者向けの動画ばかりで、中級者~上級者にとって有益な情報が少ない。

なぜ英語圏の人のほうが有益な情報を発信できるのか。いくつか理由はありそうだが、次のような傾向があることは予想できる。

  • 純粋に日本語人口よりも英語人口が多いので、コンテンツの品質に市場原理が働く。
  • DAWやプラグインのパラメーター名はそもそも英語。英語圏の人のほうが直感的にソフトウェアを理解しやすいため、ユーザーの平均レベルが高くなる。
  • 動画投稿者にとっても、英語で発信したほうが多くの視聴者にアプローチできるので収益化がしやすい。

現状は英語のコンテンツにアクセスしたほうが、有益な情報を手に入れやすいといえる。

2. 現地のカスタマーサポートに直接連絡が取れる

英語力があれば、ソフトウェアの開発者に直接問い合わせることができる。

音楽制作者の多くは、VSTインストゥルメントやプラグインエフェクトをよく使う。しかしこれらの製品にはバグや不具合が付きものだ。そんなときに開発チームに連絡を取ることができれば、問題解決に大きく近づけるケースが多々ある。

実際に僕が問題解決に至ったケースを挙げてみよう。以下のトラブルは、すべてサポートに英文メールで問い合わせて解決策を教えてもらえた事例だ。

  • なぜかCubaseプロジェクトでSylenth1の音色のリコールができない:
    どうやらバグだったらしく後のアップデートにより解消
  • AvengerのGUIの展開が非常に遅い:
    「君の使ってるバックアップソフトの保護機能とは競合するよ~」と教えてもらい解決
  • Arturiaのコンプの音量がやたらデカくなる:
    「入出力の連動スイッチを無効にすればとりあえずイケるよ!」と教えてもらい(暫定的に)解決

ちなみに、国内代理店に聞いても、このような素早い回答を得ることは難しい(既知の有名なバグ等でない限り)。実際、僕はCubaseの国内カスタマーサポートにバグ報告を行うこともあるのだが、スパッと解決策が返ってくることは少ない。もっともこれは必然的なことだ。実際にソフトウェアの開発をしているのはYAMAHAではなく、Steinbergだからだ。

開発者に直接バグ報告を行えば、ものの2~3日程度で何らかの返事がもらえることが多い。このレスポンスの速さは、開発者と直接コンタクトを取ることでしか実現できない。

3. 海外のショップでのプラグイン購入に不安がなくなる

英語力があれば、自信を持って海外のショップでプラグインを購入できる。

AudioDeluxeや、Plugin Boutiqueといった海外のショップでは、国内よりもプラグインを安く購入することができる。この記事を読んでくれているようなあなたなら、おそらく一度くらいは利用した経験があるかもしれない。

これらのショップは、英文メールを書けない人でも利用することは可能だ。実際僕自身、ショップに問い合わせる必要に迫られたことは一度もない。とはいえ、何かの手違いでシリアルが届かなかったりする確率もゼロではないと思う。そんなとき、高校卒業程度の英語力があれば、気軽にショップにメールで質問することができる。

英語力があれば、海外でプラグインを購入するときでも、一切の不安が無くなる。「万が一問題が発生した場合は、英文メールで質問すればいいや」と思えるようになる。

ちなみに、「Google翻訳を使えばいいのでは?」と思った人もいるかもしれない。たしかにGoogle翻訳の精度は年々上がってきているが、単純に日本語の文章を通すだけだと、文法的におかしな英文になることも多い。Google翻訳を使うにせよ、やはり自力で英文の正確性をチェックできることが望ましい。

4. 楽器・ハードウェアの個人輸入で資金を節約できる

英語力があれば、個人輸入で商品を安く入手することができる。

オーディオインターフェイスやモニタースピーカーといった音楽関係のハード機材は、どれも海外の製品だ。日本での販売価格には、必然的に代理店のマージンが上乗せされていることになる。

そして、この代理店のマージンは、不当に高額であるケースも少なくない。興味のある人は、Thomannにアクセスして、気になる製品を検索してみよう。「えっ、こんなに安く買えちゃうの?」と感じる製品も見つかるはずだ。製品によっては、送料を含めても10万円近く節約できるケースもある。多くの人にとっては、さすがに無視できない金額ではないだろうか。

MEMO
Thomannはドイツの楽器ショップで、世界各国への発送に対応している。日本からの利用も可能だ。※僕も利用経験あり。

もちろん個人輸入にはデメリットもある。

  • 製品によっては、国内代理店が個人輸入製品の修理を受け付けていないケースがある。
    • なので初期不良や故障が発生したときには、購入店や海外のメーカーサポートに頼る必要が出てくることがある。そのため英語でメールの読み書きができるスキルは必須。
  • 国内代理店のカスタマーサポートは利用できない。

しかし、裏を返せば、「気長に待てる時間」と「英語力」。この2つがあれば、いくらでも個人輸入が可能ということになる。資金を有効に活用するためにも、ぜひ英語力を身に着けて、個人輸入に挑戦することをオススメしたい。

ちなみに、Amazon.com(アメリカのAmazon)で個人輸入するのはもっと楽だ。利用の手順がネット上でたくさん解説されているので、個人輸入の入門ショップとしては一番オススメできる。

5. 日本語マニュアルが無いソフトでも深く理解できる

英語力があれば、日本語マニュアルが無いソフトでも安心。

音楽機材や音楽ソフトウェアの多くは海外製。だから基本的にマニュアルは英語だ。日本語マニュアルが付属してくる製品もあるが、それは国内代理店がわざわざ和訳して用意しているのだ。

こういった背景があるため、製品によって日本語マニュアルの充実度に差が出てきてしまう。たとえば、Cubaseの日本語マニュアルは和訳もしっかりしていて読みやすい。じっくり目を通してもストレスなく読み進められるような、優れた日本語マニュアルだといえるだろう。

しかし、Cubaseのようにマニュアルに恵まれたソフトばかりではない。

  • 日本語マニュアルが分かりづらいソフト
  • そもそも日本語マニュアルが無いソフト

こういうソフトもよくある。

たとえばSpectrasonics製品。ここの製品は僕も長年愛用していて、購入時にも日本の代理店を通している。だけど、日本語マニュアルは用意されていない。英語のオンラインヘルプを読みながら操作方法を覚える必要がある。

初心者の頃、初めてSpectrasonics製品を購入したときは、日本語マニュアルが無くて面食らったのを覚えています……

Spectrasonics製品に限らず、日本語マニュアルが存在しないプラグインは多い。製品を深く理解するためにも、英語力を身に着けて、英語のマニュアルを気楽に読めるようにしておこう。

6. ビジネスチャンスを拡大できる

英語力があれば、音楽をマネタイズできる可能性が広がる。

著作権フリーのBGMを販売できるサイトとしては、日本ではAudiostockが有名だ。作品が審査に通れば、誰でも音楽を販売可能。

だけど、このグローバル化の時代、拠点を日本だけに留めておくのはもったいない。音楽は言葉が通じない、別の国の人にだって届く可能があるコンテンツだ。もしそれがインストゥルメンタルの作品であればなおさらだ。

ここはぜひ海外のマーケットにアプローチしてみよう。似たような(というかモデルになっていると思われる)サービスとしては、海外にはAudioJungleがある。他にも、もし動画タイトルや説明文を英語で書くことができれば、YouTubeを使って海外リスナーに音楽コンテンツを発信することだってできる。

もしあなたが音楽を作る能力に恵まれているのであれば、英語力を駆使して、世界のマーケットを見据えよう。それだけでビジネスの可能性は広がる。

英語の学習方法について(次回記事)

英語の学習方法については、次回の記事で紹介する。

作曲家・ミュージシャンが英語を習得するための学習方法を紹介