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【レビュー】AKG K701はコスパ最強の高音質ヘッドホンです(他製品との音質比較あり)

AKG K701とは?

AKG K701とは、音響機器メーカーAKG (アーカーゲー)より販売されている開放型ヘッドホンだ。

※開放型ヘッドホン:音がヘッドホンの外に少し漏れる代わりに、自然な音質が得られるタイプのヘッドホン。高級機種で採用されている。そのため、電車の中で音楽を聞いたり、歌のレコーディングで使ったりすることはできない。




AKG K701の良いところ4つ

1. 高音質である

伸びやかな高域を持ち、クリアな音像が楽しめる。柔らかい出音で、AKGらしい音質。同社のK712と比べると、こちらのほうがより「AKGらしい音」をしているなぁ、と個人的には感じる。

※この「柔らかさ」と「高域の伸び」は、AKGのコンデンサーマイクにも見られる特徴だ。

オーケストラやジャズのような、美しい音楽を聴くのに特に向いている。ずっと聴いていたくなるような心地よい出音。

低音に関しては、少なくともリスニング用途であれば、物足りなさを感じることはない。映画を見たり、ゲームをしたりするときに、迫力のある音を楽しむことができるだろう。

2. 価格がお手頃

このヘッドホン、昔は6万~7万円程度で販売されていた。品質は昔から変わっていないはずなのだが、今ではだいぶ安くなってしまった。

とはいえK701はかつてのフラッグシップモデル。品質の高さは十分に保証されている。その結果、「高嶺の花」から、「超絶コスパモデル」へと、すっかり変貌を遂げてしまった感じがある。

なぜこんなに安くなってしまったのか不思議ですね。

3. 装着感が良い

以前同社のK240 MK2を使っていたときは、長時間装着しているいると耳が圧迫されて痛くなってきていた。しかしこのK701は、4~5時間くらい装着していても、いっこうに耳が痛くなることがない。

なので、K701は長時間ゲームをプレイする人にもオススメ。ヘビーな低音感も無く、聴き疲れしない音質なのも良い。ヘッドホンを付ける時間が長い人は、K712よりもK701を選んだほうがいいと思う。

4. 軽量

K701の重量は235g。他のモデルと比較しても軽いほうだ。

  • K712:298g
  • K701:235g
  • K240MK2:約240g
  • SONY MDR-CD900ST:200g

※900STよりは重いけど、あれはレコーディング向けのモデルということもあるので、参考までに。

AKG K701のスペックについて

プラグはフォーン端子

プラグ部分はフォーン端子(太いやつ)になっている。ただし、画像のような3.5mmステレオミニプラグに変換するためのアダプターが製品に付属するので、携帯音楽プレーヤーなどでもK701の音を楽しむことはできる。



AKGの各ヘッドホンの音質比較

購入前に家電量販店に足を運び、AKGの3種類のヘッドホンを、じっくり試聴してきた。

  1. AKG K712(現在のフラッグシップ)
  2. AKG K701(当記事で紹介している製品・かつてのフラッグシップ)
  3. AKG K240 MK2(筆者が昔よく使っていたモデル)

購入する際は、K712と少し迷った。結果的にはK701を買うことにしたが、自分の用途ではこれが正解だったと考えている。

3モデルを比較試聴した感想のメモを残しているので、他のモデルと迷っている人は参考にしてみてください。

K712

出音

帯域バランスは極めてフラットだが、低域がきちんと見える出音。EDMとかでキックのサブベース成分まで聴きたい場合は、K712を選択したほうが良いだろう。

ミックスや音楽制作で使う場合も、低域がきちんと見える分、こちらのほうが使いやすいと思う。モニター用途全般、すなわち「低音がきちんと出るモニタースピーカー」の代替品として使いたい場合は、K712を選ぶのが良さそう。

リスニング用途であれば、EDMとかを長時間聴いていると疲れるかもしれない。低音がそれなりに出るので、それがボディブローのように効いてくる可能性もある、ただ、そういうのが好きな人もいると思うし、他社のDJ用ヘッドホンならこれ以上に低音が出るモデルはいくらでもある。

というわけでこの辺りは好みの問題になってくる。迫力のある(と言うとやや大げさだか)低音が欲しいならK712のほうが良い。

見た目と装着感

黒いボディに、オレンジ色のケーブルと金属パーツ。比較的派手な見た目。

イヤーパッドはK712の方がつけ心地がいいかも。とはいえ展示品のK701が劣化気味だったからそう感じただけかもしれない。

K701

出音

高域の伸びやクリアさは、K712よりもこっちのほうが優秀。柔らかい出音で、昔使っていた、K240 MK2に通じるところもある。K712と比べると、こっちのほうがより「AKGらしい音」をしていると感じる。

かと言って低音が出ていないということもない。少なくともリスニング用途であれば低域の物足りなさを感じることはないと思う。クラシック(オーケストラ)やジャズを聴くなら断然こっちが良い。ジョン・ウィリアムズのFlying Themeを聴いていてそれを確信した。

長時間音楽を聴いていて疲れないのもこっちだと思う。

見た目と装着感

白めのボディに、灰色のケーブルと金属パーツ。見た目はこっちのほうが好き。

つけ心地はK712と大差ないが、イヤーパッドはK712の方がわずかに柔らかく、優れているような気もする。とはいえ、単に展示品のイヤーパッドが経年劣化していただけの可能性もある。

軽さもこっちのほうが優秀。K712よりもK701のほうが63gも軽い。だけど試聴時には音質のことばかり気にしていたのもあって、重量差は特に気にならなかった。

コスパ

K701はコスパが優秀。K712は値段が倍近くするので、コスパを考えるなら圧倒的にK701のほうがいい。出音のクオリティに関しては、正直値段分の差は無いと感じた。

K240 MK2

出音

長年慣れ親しんできた、K240 MK2。リファレンス用途として、コイツも聴いてみた。

決してクオリティの低いヘッドホンではないが、出音のバランスの良さは、やはりK712やK701に軍配が上がるかなという印象。

K240 MK2も聴きやすくて心地よい音ではあるが、ややローミッド成分が過多。300~500Hz辺りが出っ張っているので、良いモニター環境を知った後だと、どうしてもその辺りの帯域が気になってくる。

結論:K701を買おう

音楽制作はモニタースピーカーでやるので、ヘッドホンは基本的に使わない。ヘッドホンを使うのはいつかというと、それはゲームをプレイしたり、映画を鑑賞するとき。それならば、長時間聴いても聴き疲れしなさそうなK701の方が良い。